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少し暗くなってからだろうか、蚊が集まってきた。主に足下に数十匹、百匹にはなっていないと思うが、数えられそうもない。
ズボンから素足がでて彼らにに絶好な食卓を提供している。さっそく、その食堂に靴下をかぶせ閉店にした。

シャツの上から食事を試みる奴がいる、夏の吸湿速乾性の薄い生地なのだが上手く食事ができるのか、彼は何度もすいつこうとしている。かるく手で払った。

それでも、好感をもてるのは、彼らは全面戦争をいどんでこないことだ。宣戦を布告し正面から怒濤となって、顔をめがけて、次々に特攻攻撃をされたら、たまったもんじゃなない。
その時は白旗あげて逃げるに限るね。彼らもその辺のところは理解していて逃げられる程には集中攻撃をしてこない。何しろ格好な獲物が飛び込んで来たのだから、逃げられてはおまんまの食いっぱぐれである。
私だって菩薩程ではないけれど、小さな慈悲を与えるのにやぶさかではない。彼らの一人二人なら養う覚悟はできている。痛くしないでくれ。
首の後ろ側や、毛のない頭のてっぺんにチクリとする。素早く自分の頭をぺんぺんとたたく訳にもいかない。素早く勢いよく自分の頭を叩くのには躊躇する。私は手で払った。彼らは逃げた。

昔、始めて野宿をした時だった。港近くのさびれた公園の植え込みの陰にシートを引いて横になり寝ようとした。そのとたんに彼らの集中放火、同時多発自爆攻撃が始まり。私はすごすご、逃げたことがあった。
それに比べたら、足下にたかる彼らなどとるに足らない。気にしなければ良い。いると思えばいるように思えるが、いないと思えばいない。そんな存在になってくる。彼らは不確かな存在に過ぎない。人間の全血液に比して彼らが奪う血液はいかほどか、微々たるものである。痛くなければ少々の献血はするべきだ、生物皆兄弟。

ある夏、遍路していて蚊取り線香を持ち歩いた時があった。蚊が気になった時に使ったが、夏が終わっても最初買った渦巻きを使いきらなかった。
貧乏症で買った蚊取り線香を長持ちさせたかったので、我慢できる敵の数なら、殺傷兵器を使わず個別対応を心がけていた。また彼らも、深夜には寝蔵に帰るようで、使いかけの蚊取り線香を寝る時に火を着ければ十分間に合っていた。
それ以来、私の夏の遍路の持ち物に蚊取り線香は入れていない。やぶ蚊の集中放火は恐ろしいが、そんな所はさっさと通りすぎれば良い。

夏になると蚊取り線香のコマーシャルが目立ってくる。蚊取り線香の長さは人の睡眠時間と同じだと言う。あの渦巻きを一本まるまる使うことに合理的な理由があるのだろうか、真夜中に彼らの活動が活発でないのは確かなのに、一晩中、蚊取り線香を点けることが一般的になっている。一晩中人間も蚊取り線香にいぶされるのだ。

明くる朝、身支度をして、食事をしようと思いだした頃。彼らが現れた。気持ちよく寝られて、すっかり忘れていた。彼らが寝ぼけてる間に退散する。
(以上、横峰山、湯浪登山口休憩所にて)

◎現在20日、昼。二晩、新居浜の将棋会館に泊まらせてもらった。
これからのんびりと遍路道を歩く予定、曇り勝ちで、のんびりと。
写真は新居浜から見える山波。
by henroseikatu | 2012-07-20 14:18 | 托鉢遍路 | Comments(0)
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