今度は東北、東北三十六不動尊霊場
山形、秋田、青森 2014年6月7日から7月19日 2014年6月7日(土) この春、3月2日九州88ヶ所霊場を結願し、その足で東北をめざした。4月15日大阪、5月15日東京そして6月3日仙台に着いた。そこから札所の始まりの山形をめざす。 ◎「東北三十六不動尊霊場」は山形県を始めとし、秋田、青森、岩手、宮城、福島県と各県6ヶ寺づつ各宗派の不動尊を参拝する霊場である。 6月7日(土) 福島をへて、宮城、仙台から国道48号線で山形に入った。そしてサクランボの実りを観て巡拝を始めた。山形市近郊に三ヶ寺の霊場がある。 1番慈恩寺 駐車場でお餅と冷たいお茶を頂いた、土日の接待だそうだ。駐車場から少し上がる、本像の御開帳があり拝観料800円(通常500円)である、私は財政的に余裕がなかったので残念だが本堂には上がらなかった。 本堂の隣にある小さな祠、不動堂で勤行した。燭台はあったが、香炉はなかった。掲示板に納め札が並べて張られていた。本日は御開帳で多くの人が本堂に参拝していたが、私が勤行している間に不動堂に参拝に来られたのは一人の女性だけだった。 本堂前のテントで「東北三十六不動尊霊場」の納経帳を買い、朱印を押してもらった。納経帳はB6程度の小さなもので本尊名が印刷されているもので2300円、少し高いようにも思う、寺院リストに拝観日が記入できたり氏名欄があるのが他霊場の納経帳にはないところである。 境内を後にして道路を歩いていると、乗用車で来た夫婦に呼び止められ金銭の接待を受ける。駐車場の係員から私が歩いて廻っていることを聞いて、わざわざ後を追ってきてくれたそうだ。 スーパーの托鉢での喜捨がうまくいっていなかったので、とてもありがたく、慈悲かけてくれる人々が、どこにもあることを再認識した。 6月8日(日) 3番光明院 ざあざあ降りではない、カッパの上着は着る、ズボンはそのままでも気にならない程度の雨が降ったり止んだりである。 坂道をだいぶ上った。住職が詳しく仏像の来歴を話してくれた。天台の寺院だが御大師さんも奉られていた。ここは徳川時代天領で、会津とも交流があり、幕府側のため廃仏が激しかったそうで、同じ山の真言寺院の大師像もここに祀られているそうである。 6月9日(月) 4番大樹院 朝方、雨が降りだしたので止むのを待ち、10時近くから歩き出した。国道からたいして離れていない。 三十六童子の高さ50センチ程の像がさつきの間に並んでいる。水子地蔵に飾るような風車が置いてあった、可愛く思い350円出して風車をいただいた。 6月10日(火) 番外 立石寺(りっしゃくじ)地元では「山寺」と呼ばれている。 寺巡りをしていると、地元の人に話すと山寺に行くように勧められる。 天台宗の由緒あるお寺で、多くの堂が山中にある。芭蕉の「閑(しづ)かさや岩にしみ入る蝉の声」が創られたのがこのお寺である。 山門から300円の入山料を払い、岩山に散らばるお堂を奥之院まで1000余段の階段を登る。「立石寺」の名称が入る根本中堂で納経をした。(拝観料のいる奥之院では立石寺と入らないそうで、入山口の外にある根本中堂で納経) 火曜日だったが参拝者があった、バスの団体もあり、門前の店舗もそろい、休日には賑やかになるだろうと思われた。帰り際、駅に行くと「見晴らし台」もあり、山寺境内が見渡せる眺めであった。 朝のうち曇りであったが昼になり太陽が出て陽射しが強い、風が心地良い。 6月13日(金) 次の札所はとび地になっていた2番大日坊金剛院瀧水寺、湯殿山の麓にある。国道112号線を進み月山の麓を通る。この日、この二、三日とは違い強い雨になっていた。月山湖を過ぎると国道は自動車専用道になった。旧国道「六十里越街道」を行く(国道112の標識もある)、と・・・通行止めになっている、月山への分岐を過ぎた所で道はゲートで封鎖されていて、その先で道を掘り返し下水の工事をしていた。 。「冬季閉鎖」の表示も見たが、もう冬ではないので国道は通れるものだと思いこんでいて、「この道は通れますか」と地元の人に聞かなかった。山越えできず、宮城にもどり逆打ちすることにした。 6月19日(木) 新庄に来ている。山形から順打ちで始めたが先に行けないので、宮城に戻り逆打ちしようと思っていた。しかし遠回りだが国道13号で新庄まで行けば山越えができると、地元の人に聞きその道をたどっている。 6月20日 新庄から最上川沿いに国道47号線で日本海側に進む。夕方、通り雨の中で立谷沢川合流地点の橋の下にテントを張った。 この二、三日、昼間は雨が降らないが、夜中に激しい通り雨があった、いずれも軒下にテントを張っていたので濡れることはなかった。 今日もまた明るいうちに、軒下の寝場所を見つけられて幸運である。 6月21日(土) 6番正善院、御婦人の案内で黄金堂に上がる、勤行が終わると、堂内諸仏の説明を受ける。私一人の為だけに、いちいち堂の戸を開け放し、私の勤行を聞き、説明し、また戸締まりするのだ。納経する人は拝観料も割引して100円ぽっきりだけ、賽銭もあげぬ私に。十分うなずけた拝観料であった。 九州88ヶ所を廻ったとき、鹿児島の真言宗のお寺では、明治維新に仏像が打ち捨てられ文化財が残っていないと嘆いていた。ここでは修験道に関わっていた人たちが、この寺に仏像を集めてこられたのではないか。 また近年では、仏像盗難があり、小さな堂の像を防犯の為に、安置しているそうである。 明日は出羽三山神社に参拝するつもりで、もう少し上に登って野宿するつもりだった。御婦人に聞くと「この辺は熊がでるから進められない」と聞き、私は怖くなった。 反対の鶴岡方面に少し行った公園を御婦人に進められた。その公園、傾斜地に何段もの敷地があり、人気のない場所に東屋、近くに水道がある。テント張るのに好適地であった、水浴びをしよう、今日も菩薩に導かれた。 6月22日(日) 番外、出羽三山神社 黄金堂から少し上った所から神社境内に入る。石畳と三カ所の急な上り階段がある、階段の段差が小さいのが良い、2446段あるそうだ。 山頂手前から松尾芭蕉が泊まった南谷に池や東屋があり、小鳥の立ち寄る空間であった。 羽黒山三神合祭殿の茅葺き屋根がボリュームがあり美しい。蜂子神社の御開帳をしていたが500円がおしく拝観しなかった、300円で三山神社の朱印だけ受けた。 奥の細道芭蕉の道 松尾芭蕉出羽三山句 涼しさやほの三日月の羽黒山 雲の峰いくつ崩れて月の山 かたられぬ湯殿にぬらすたもとかな 6月23日(月) 5番龍覚寺、鶴岡駅からガイドブックの地図にある国道が見つからず苦慮した。当該の路上の標識には県道349の表記があり、地図にある交差点の表記は見あたらない。 6月24日(火) 鶴岡から国道112号線で湯殿山へ向かう、赤川に近づいた所で道ばたに「熊出中」の看板があり、野宿できないなと思った。 しかし、地図を見ていると「熊出」という地名があることが分かった。 6月25日(水) 2番大日坊(大日坊金剛院瀧水寺)拝観料500円払い本堂にあがる。不動尊の前で勤行をあげる。その後に、お坊さんが般若心経を上げお加持をしてくれる。その後、寺や仏像の説明を受ける。それまで寺が治めていたが神仏分離のとき、袈裟を脱ぎ神社とし、廃仏をのがれた。空海が日本に帰り最初に建てた寺である。 奥にある、真如海上人の前に移り、説明を受ける。五穀を断ち、長いこと木のみだけを食べる木食をし、最後は断食をし、その後に腐敗を防ぐために、漆を飲むそうである。 土中に入り、経を唱える(体力がなくなっているから声にはならない)、外から弟子が声をかけると、上人は持鈴をならし無事を知らせたそうである。 6月25日(水) 湯殿山麓の大日坊から鶴岡の方に下っていく途中で上ってくるバイクに挨拶した、その人が停まってくれて話をした。鹿児島在住でバイクで日本一周をしているそうである。 今までも旅の人と話をしたが、始めて名刺交換した。 7月2日(水) 7番普傳寺 8番嶺梅院 山門を入って直ぐ、右側に不動堂があり本堂に向かわず、堂の前で勤行を始めた。座敷に座っての勤行ではなかなか気がはいらない、たまには立ったまま勤行することにした。 9番多聞院 県道沿いに鳥居があったがそこは愛宕神社ではない。信号さきの路地に入ると愛宕神社がある、その裏がお寺である。 「事前に電話連絡を」とあったが、辺りに公衆電話もなく苦慮していたが、私が行ったときは数人の人がいた。 7月4日(金)10番吉祥院 夕方5時少し前に本堂に着いた。声をかけたが反応がない、本堂の扉はわずか5センチ程開いて、左端の童子そして中央に暗い中に不動明王が見えた。そして本堂前に朱印が置いてあり、これで納経はできると、本堂前で勤行を始めた。読経の中途で、「すいませんでした、中に入って下さい」と若い僧侶が声をかけてくれた、早速本堂に入り読経を続けた。 勤行が終わると、お茶を出してくれて話をした。また、ここでは開霊場以来、参拝者にノートに氏名などを書いてもらっているとのこと、最初の来参拝者がノートを置いて下さいといわれ、それ以来三冊になったのこと。 寺の人と話をしたことはあったが、僧侶自ら茶を頂き、話を伺おうという態度で迎えられたのは東北36不動尊霊場はでは始めてではないか。一ヶ月に二、三人の人がお参りするとのこと、この寺では、暇ですからと、常にお茶を入れての対応をしているとのことであった。この副住職、紅顔の良い男である。 7月7日(月) 11番玉蔵寺 これまで見てきた本尊以外諸仏を飾る内陣とは違った。本尊不動尊を中心にシンプルな内陣である。不動尊の両脇に童子、脇壇に御大師さんと興教大師、両壁に曼茶羅が掲げられている。 ガイドブックにそって踏切をわたると、11番との標識があり、住宅地をぬって行く、また山門前を通過すると踏切はないが人が渡れるようになっていて、国道への近道である。 7月7日(月) 国道7号線を北上していると、北から自転車の人が来た、しばし話した。北海道から来て、東京まで行くと言う。アルバイトしながら道の駅で寝たりしているようである。北海道にはバス停でも寝られ、寝ていると差し入れなどがあるという。寺もあるし、と寺で仕事もしているらしい。白衣や巡礼の格好はしていないが、托鉢のようなこともしているらしい。米も切らして腹減っていてなどと言うので、食パンを分けて食べた。 以前、四国遍路していて善根宿で同宿した人は、寺で働かしてもらいながら全国を廻っている、と話していた。北海道でも托鉢しながら廻れそうでもある。 7月10日(木) 12番遍照院 一日雨、夕方大館に入る。カッパを着ていて、足下も濡れていたので、本堂の前で勤行することにした。本堂軒下まで台車を乗り入れ、下はカッパのまま上だけ白衣を着た。普通の檀家寺では置いてないがこの寺では、本堂前での参拝もできるように香炉を置いてあった。勤行の後に納経した。 寺の入り口の掲示板に以下の言葉が書かれてあった。今の私の心境ともあった同感した。人生リタイヤした老後には、こうゆう心構えに皆がなり安らかに次のステージを目指していければ良いと私は思っている。 人生は老いてから妙味一杯 7月12日(土) 13番国上寺 国道から少し上る、民家の間を抜けると寺の境内が広がる。本堂は開け放たれていたので、庫裏に声をかけずに本堂に上がり勤行を始めた。 勤行中に住職が来たので、納経帳を預けた。女性の朱印を押すために住職が来たらしい、4人組の女性で本堂にも上がらず、多分般若心経も唱えていないと思う。 7月13日(日) 14番大圓寺 朝の勤行に参加。 朝5時前に境内に入っていると、5時に住職が来て本堂に入っていったので後に続き、勤行を聞いた。勤行に参加出きると思い理趣経の経本も持っていったが、太鼓を叩いての勤行でお経が聞こえないままであった。5時から納経も済ませた。 朝5時から参拝、納経も受けつけてありがたいです。 7月13日(日) 15番最勝院 ガイドブックの地図を見ながら探したが、道が斜めに交差したりして、さっぱり分からない、この頁には委細図もないし、五重の塔を目印に見当つけて行き当たった。 本堂にガラス戸があり、中が垣間見えたが、本堂には上げてくれないので、本堂の前で勤行した。燭台や香炉が本堂前に設置されている。 7月14日(火) 番外岩木山神社 岩木山を御神体として山頂に奥宮、そして中腹にあるのが岩木山神社である。参道は石敷であるが、でこぼこがあり、歩きづらかった。納経帳に朱印をもらった。 岩木山神社から弘前には戻らず、中腹の道、岩木山環状線をたどり日本海沿岸の鯵ヶ沢に下り次の札所に向かった。 7月16日(水) 16番弘法寺 広域農道、右側に「駒田入口」左側に「弘法寺」の標識がある。この道はジャリ道で、私の台車は走行困難、台車を途中に置き去りにしてお参りした。のんびりこの先の車道を行くべきだったかもしれない。 整備されている境内、ゆっくり時間をすごしたい。ガイドブックには言及されていないが、参道より右にある住居の通路沿いに地蔵堂がある。多くのお地蔵さんが集められ、布で飾られている。20センチにも満たないお地蔵さんも服を着せられ愛されている地蔵菩薩さんが集まっている。 7月19日(土) 17番青森寺 青森市街地にある。声をかけ本堂脇の玄関から上がる、本堂内に来週ある灯籠ながしの灯籠が並んでいた。 境内に以下のような目立つように看板があった。 それ仏法は遙かにあらず、心中にしてすなわち近し。真如、外にあらず、身を棄てて何んか求めん。迷悟、我に在れば、すなわち発心すれば、すなわち到る。明暗他にあらざれば、すなわち信修すれば忽ちに証す。 (右文の訳) 仏の教え(さとりの世界)は、はるかかなたにあるものではない。私たちの心の中にあって、まことに近いものである。真理は、私たちの外部にあるものではないから、この身を捨ててどこにそれを求め得よう。 18番清龍寺 拝観料400円を覚悟していたが、「巡礼ですか」と聞かれ拝観料を免除された、ありがたい。昭和大仏の胎内二階には戦没者供養碑がある、この二階の天井には大仏の足裏が見えて面白い、この青銅像は京都で作られ、ブロックごとに運搬されて、ここで溶接され組立られたそうである。 昭和大仏の前を通り、左側に降りていくと霊場本尊厄除け不動がある、四国88ヶ所霊場の砂踏場もあった。
by henroseikatu
| 2014-09-15 08:33
| 東北36不動尊霊場
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